PQQコラム

睡眠の質はどうやって測るのか

睡眠が短期的·長期的な健康や日々のパフォーマンスに大きく影響することは、いまや多くの人が知っています。しかし現代の忙しい生活において、十分な睡眠時間を確保するのが難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。

限られた睡眠時間のなかで、できるだけ効率よく脳や体を回復させたいというニーズから、近年「睡眠の質」が注目されています。この記事では「睡眠の質」とは何を意味するのか、科学的にはどのように研究·測定されてきたのか、そして日常生活で睡眠の質を高めるために何ができるのかを紹介します。

良い睡眠かどうかを主観的に評価する

どのような睡眠が健康によいのかは、個人差が大きく、いまだ明確にわかっていない部分もあります。極端に短すぎたり、逆に長すぎたりする睡眠が健康に悪影響を及ぼすことは研究によって示されていますが1)必要な睡眠時間は人によって異なり、睡眠の質によっても変化します。また、年齢によっても必要な睡眠時間が変わることも知られています。

自分が良い睡眠をとれたかどうかを知る方法は、ある意味とてもシンプルです。朝の目覚めがすっきりしているか、日中に強い眠気を感じないか、体調が崩していないかなどの主観的な感覚が重要な手掛かりになります。

実は、睡眠研究の分野でもこの「主観的な評価」は重視されています。被験者に自分の睡眠習慣を振り返って答えてもらう自己記入式アンケートは、科学的にも信頼性のある睡眠の質の指標として、広く用いられています。

医学研究や病院の臨床現場で標準的に用いられているのが、「ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburgh Sleep Quality Index:PSQI)」です。PSQIでは複数の質問に過去1ヶ月間の睡眠を振り返り回答します。回答内容に基づきスコア化され、以下の7つの要素から評価します。スコア5以上だと睡眠に問題がある可能性が示唆され、さらに点数が高い場合は不眠症などの疑いがあることを示します2)3)4)

1.主観的な睡眠の質

「この1か月、眠りの質はどうでしたか?」(とても良い/良い/悪い/とても悪い)などの質問で評価します。

2.入眠時間

寝床に入ってから眠りにつくまでの時間を尋ねます。15分以内(0点)、16~30分(1点)、31~60分(2点)、60分以上(3点)で評価し、入眠困難の頻度も加味されます。

3.睡眠時間

寝床にいた時間ではなく、実際に眠っていた平均時間を記録します。

4.睡眠効率

寝床にいた時間のうち、眠っていた時間の割合です。85%以上(0点)、75~85%未満(1点)、65~75%未満(2点)、65%未満(3点)で評価します。

5.睡眠の妨害要因

夜中に目が覚める、トイレに行く、暑さや寒さ、悪夢、痛みなど、睡眠を妨げる要因について質問します。

6.睡眠薬の使用

過去1か月における睡眠薬の使用頻度を尋ねます。

7.日中の活動障害

「眠気のせいで仕事や学業に支障がありましたか?」「日中に元気が出ませんでしたか?」といった質問で評価します。

このほか、日本で開発された「OSA睡眠調査票MA版(OSA-MA)」も広く利用されています5)。OSA-MAは選択肢が4択で、PSQIよりも記入時間を短縮でき、回答者の負担が少ないというメリットがあります。信頼性や再現性は十分に高く、特に、臨床現場で記入時間を確保しづらい場合や、高齢者など多くの選択肢に反応しづらい人を対象に用いられています。

客観的に睡眠の質を測る方法

主観的なアンケートや感覚による評価は、日常の睡眠を把握するうえで非常に有用です。しかし、自分では「よく眠れた」と感じていても、実際には途中で何度も目が覚めていたりする場合もあります。逆に、睡眠障害を訴える人のなかには、「眠れていない」と感じていても、脳波の記録を見る、と十分な睡眠をとれていることもあります。

このように、主観的な評価と実際の生理的な睡眠状態は、必ずしも一致するとは限りません。そのため、主観的な評価と並行して客観的な測定が必要になります。特に、睡眠障害が疑われる場合や、いつ眠りについたか自分では把握しにくい人、あるいは研究目的で正確なデータを得たい場合には、科学的に信頼度の高い測定が欠かせません。

①病院や研究機関で行う方法

睡眠を最も正確に評価する方法は、脳波(EEG:Electroencephalogram)を使った「睡眠ポリグラフ検査(Polysomnography: PSG)」です。これは病院や研究機関で行われ、頭や顔、胸、脚などにセンサーを装着し、脳波、眼球の動き、筋肉の緊張、呼吸、心拍、酸素濃度などを同時に記録します。

得られたデータからは、レム睡眠·ノンレム睡眠の周期や割合、途中覚醒の有無、睡眠中の無呼吸などを詳細に分析することができ、睡眠障害の診断にも用いられます。この方法は非常に精度が高い一方で、測定には専門的な機器と技術者が必要です。通常は一晩を病院や研究施設で過ごして行うため、時間や費用の負担が大きいという側面があります。

②身近にできる方法:ウェアラブル機器やスマートフォン

近年では、家庭でも睡眠の状態をある程度客観的に測ることができる技術が普及してきました。代表的なのが、スマートウォッチやリング型デバイスです。これらの機器は、加速度センサーや心拍センサー、皮膚温度センサーなどを用いて、入眠や覚醒のタイミング、浅い眠り·深い眠りの状態を推定します。一晩の睡眠リズムをグラフ化し、平均睡眠時間、睡眠効率、心拍変動などを日ごとに確認できるものもあります。また、スマートフォンのマイクや加速度センサーを使って、寝返りやいびきのパターンを解析するアプリもあります。

これらの方法は研究室で行う脳波測定と比べると精度は劣りますが、日常生活の中で継続的にデータを蓄積できるという大きな利点があります。こうしたツールを活用することで、自分の睡眠リズムと生活習慣との関係に気づきやすくなり、主観的な感覚と客観的なデータを組み合わせて、「自分の眠りの特徴」を把握することが可能になります。

睡眠の質をサポートする健康食品素材

睡眠の質を高めるためにできることは数多く提案されていますが、毎日の生活の中で実践するのは難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。たとえば、やるべきことが多い日には簡単ではありません。寝る1時間前には部屋を暗くし、スマートフォンやパソコンを見ないようにすることも、現実には難しい場合があります。寝室の環境を整えることも、家族と暮らしていれば思い通りにならず、子どもやパートナーの寝相やいびきで、十分に眠れないという人も少なくありません。

もちろん、こうした工夫を一つひとつ積み重ねていくことが理想的ですが、それができない場合に健康食品を活用して睡眠の質を高めることを選択肢のひとつとして考えてみるといいかもしれません。三菱ガス化学(MGC)の健康食品素材「清酒酵母GSP6株」と「BioPQQ®」はそれぞれ睡眠の質を高めるエビデンスが得られています。

①睡眠の質を向上し、疲労感を改善する酵母「清酒酵母GSP6株」

酒や味噌などの発酵食品作りなどに欠かせない酵母ですが、酵母自体も人の健康に役立つ有用な成分を有しており、健康食品として広く利用されています。

MGCが開発した清酒酵母GSP6株は、動物実験やヒト試験によって、入眠直後の深い睡眠を助けて睡眠の質を向上させ、起床時の眠気や疲労感を改善することが確認されています。

睡眠に不満をもつ健康な成人68人を対象に、GSP6株を含む食品を摂取する場合と、成分を含まない食品(プラセボ)を摂取する場合を比較する試験が行われました。その結果、GSP6株を摂取した期間では、プラセボ食品を摂取していた期間と比べて、眠りの深さや起床時の眠気が改善し、成長ホルモン量の増加も確認されました(図1)。

また、良質な睡眠が肌の状態に影響することが知られていることから、睡眠に不満をもつ健康な成人19人を対象に、GSP6株摂取による肌への影響が検討されました。その結果、GSP6株を摂取した群では、プラセボ群と比べて、肌の経皮水分蒸散量(肌のうるおいを保つ指標)やコラーゲン密度、弾力性が改善することが示されました(図2)。

②BioPQQ®も睡眠の質を向上し、疲労感を軽減する

MGCが開発した健康食品素材BioPQQ®は、ミトコンドリアの機能を高める作用が知られていますが、睡眠に対する影響についても臨床研究が行われています。

図3は、疲労感や睡眠障害のあるオフィスワーカー17人を対象に、1日20mgのBioPQQ®を8週間摂取してもらい、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)日本語版で評価した結果を示したものです。その結果、多くの項目でスコアの低下が見られました。PSQIでは、スコアが低いほど睡眠に関する問題が少ないことを示します。

また、OSA睡眠調査票MA版(OSA-MA)を用いて睡眠の質を評価したところ、BioPQQ®摂取前(0週)と比べて、摂取後には多くの評価項目でスコアの上昇が認められました6)。OSA-MAでは、スコアが高いほど睡眠状態が良好であることを示すため、これらの結果から、BioPQQ®の摂取が睡眠の質の改善につながる可能性があることがわかります。

睡眠の質のためにできることから始めてみる

ここまで紹介してきたように、睡眠の質は、睡眠時間の長さだけで決まるものではありません。自分の感覚に耳を傾けること、必要に応じて客観的なデータを参考にすること、そして無理のない範囲で生活習慣を整えていくこと。その積み重ねが、よりよい眠りにつながっていきます。

忙しい毎日のなかでも、自分に合った方法を見つけながら睡眠の質を見直すことが、心身の健康を支える第一歩になるかもしれません。ぜひ、無理のない範囲で、睡眠の質の向上につながる行動を見つけてみてください。

All this surfing is making me hungry. a young woman eating an apple while using her laptop at home

関連サイト:三菱ガス化学の健康食品原料 清酒酵母GSP6株

参考文献

1) Cappuccio FP, D’Elia L, Strazzullo P, Miller MA. Sleep duration and all-cause mortality: a systematic review and meta-analysis of prospective studies. Sleep. 2010 May;33(5):585-92. doi: 10.1093/sleep/33.5.585. PMID: 20469800; PMCID: PMC2864873.

2) Doi Y, Minowa M, Uchiyama M, Okawa M, Kim K, Shibui K, Kamei Y. Psychometric assessment of subjective sleep quality using the Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI-J) in psychiatric disordered and control subjects. Psychiatry Res 2000; 97 (2-3): 165-172.

3) 土井由利子, 簑輪眞澄, 大川匡子, 内山真: ピッツバーグ睡眠質問票日本語版の作成.
精神科治療学 1998; 13 (6); 755-769.

4) Buysse DJ, Reynolds CF 3rd, Monk TH, Berman SR, Kupfer DJ. The Pittsburgh Sleep Quality Index: a new instrument for psychiatric practice and research. Psychiatry Res 1989; 28(2): 193-213.

5) 山本由華吏, 田中秀樹, 高瀬美紀, 山崎勝男, 阿住一雄, 白川修一郎: 中高年·高齢者を対象としたOSA睡眠感調査票(MA版)の開発と標準化. 脳と精神の医学 10: 401-409, 1999.

6) Nakano M, Yamamoto T, Okamura H, Tsuda A, Kowatari Y (2012) Effects of Oral Supplementation with Pyrroloquinoline Quinone on Stress, Fatigue, and Sleep. Functional Foods in Health and Disease 2012, 2(8):307-324
https://www.functionalfoodscenter.net/files/56592277.pdf

この記事に関するご意見、その他BioPQQ®に関するお問い合わせはこちらから

医療従事者様・企業様お問い合わせ