BioPQQ^Ⓡは、ミトコンドリアの新生をサポートし、脳機能の維持に役立つサプリです。
これまでコラムでは、BioPQQ^Ⓡの研究成果をいくつか取り上げてきましたが、今回は若年層（20～40代）の認知機能に与える効果をご紹介します。

若い世代における認知機能の重要性

BioPQQ^Ⓡは、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩を三菱ガス化学が世界に先駆けて食品向けに開発した機能性食品素材です。
BioPQQ^Ⓡを使用したサプリメントは現在、米国やEU諸国、日本で広く販売されています。

これまで「BioPQQ®が脳の認知機能を改善する」ことは、細胞や動物を用いた研究でエビデンスが蓄積されてきました。
また、ヒトを対象とした臨床試験においても、BioPQQ®を摂取した中高年者で短期記憶や情報処理能力が向上することがわかっています（参考：【研究紹介】BioPQQ®の摂取で脳の機能はどう変わるのか）。

BioPQQ®には、抗酸化作用やミトコンドリア新生・活性化作用があることから、アンチエイジング効果を期待したサプリメントに多く使用されています。
認知機能は加齢とともに低下することが知られていることから、これまでは主に45歳以上の中高年者を対象に研究が行われてきました。

しかし、脳の機能の向上は年齢にかかわらず、どんな人にとっても重要です。
加齢の影響をまだ意識していない若い世代の中にも、学問や仕事において実力を発揮するために、脳の機能を向上させたいと望む人は多いはずです。

そこで三菱ガス化学は国立大学法人熊本大学大学院先導機構フロンティアデータサイエンス化血研寄附講座の中村振一郎特任教授と共同研究を行い、20～40代の若年層を含む幅広い年齢層を対象に、認知機能に対するBioPQQ®の効果を調査しました¹⁾。

では、どのような研究だったのか、詳しく見ていきましょう。

15種類の認知機能に対するBioPQQ®の効果を調査

今回の研究では、認知機能の検査として米国のCNS Vital Signs社が開発した「Cognitraxテスト」を用いました。
Cognitraxテストは、パソコン画面に出される問題に答えていくことで、脳の認知機能を測定することができる検査です。

10種類のテストから広範囲の認知機能領域を測定できるもので、学術的なコンセンサスも得られています。
今回の研究では、総合記憶力、言語記憶力、視覚記憶力、認知機能速度、反応時間、総合注意力、認知柔軟性、処理速度、実行機能、社会的認知、論理思考、ワーキングメモリー、持続的注意力、単純注意力、運動速度という15種類の認知機能を評価しました。

対象者は、20～65歳の健康な男女62名です。この62名を「BioPQQ®摂取グループ」31名と「プラセボ摂取グループ」31名に分けて比較しました。

「BioPQQ®摂取グループ」の人には、12週間にわたりBioPQQ®カプセルを1日1回摂取してもらい、「プラセボ摂取グループ」の人にはBioPQQ®が含まれないカプセルを同じく12週間摂取してもらいました。

なお、個人の思い込みが入らないように、どちらのカプセルを飲んでいるのかは参加者も試験実施者も知らされていません（ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験）。

BioPQQ®は若年層認知機能をより早く改善する

この試験では、41～65歳を「中高年グループ」、20～40歳を「若年グループ」に分類し、「全年齢」「中高年グループ」「若年グループ」のグループ毎に解析を行いました。

Cognitraxテストを0週目、8週目、12週目に実施し、スコアの変化をみたところ、全年齢でBioPQQ®摂取12週目に言語記憶と視覚記憶を合計した「複合記憶」と、「言語記憶」に有意な差がみられました。

年齢別に見ていくと、複合記憶と言語記憶については、中高年グループで12週目に有意な改善を認められましたが、若年グループでは有意な差はみられませんでした。

次に、認知柔軟性、処理速度、実行速度について調べてみました。
認知柔軟性というのは、指示の変化に対応する能力のことです。
また、処理速度とは情報を素早く処理する能力のことを言い、実行速度とはルールや概念を理解して、判断することを指します。
これらの認知機能は、社会生活を送るうえで必要不可欠な能力です。

これらの能力については、若年グループで8週目に有意な改善がみられました。
一方、全年齢および中高年グループでは、有意な改善は認められませんでした。

ここまでの結果を年代別に比較してみると、次のようになります。

複合記憶や言語記憶に代表する記憶力は加齢によって衰える機能だといわれています。
若年グループに変化が生じなかったのは、最初からこれらの機能が良好であったためと考えられます。

一方で、認知柔軟性、処理速度、実行速度については、高齢グループでは変化がなく、若年グループで有意な改善が見られました。
今回の調査で高齢者グループにおいて改善したのは加齢により衰える記憶であり、若年者グループで改善したのは処理速度などの加齢による影響を受けにくい機能でした。
つまり、BioPQQ®は加齢による影響を受けにくい一部の認知機能も改善する可能性があると考えられます。

ここで注目したいのが、若年グループではこれらの認知機能の改善効果が早く現れていることです。
先述の中高年グループでは12週目に改善がみられましたが、若年グループでは8週目という早い段階で改善しています。

BioPQQ®は異なる世代へ多様な製品展開が可能

従来の研究結果から、若年者の脳機能はもともと高いため、PQQの効果は現れにくいと考えられてきました。
しかし、今回の結果から、一部の認知機能では高齢のグループよりも若年のグループの方が早く改善効果が現れることがわかりました。

これらの結果から、BioPQQ^Ⓡは年齢に関係なく脳機能を改善する機能性食品素材であると考えられます。
今後は、BioPQQ^Ⓡを使用したサプリメントは、中高年者向けに限らず、若い世代の方に向けた製品も開発されていくことでしょう。ビジネスにおけるパフォーマンスの向上はもちろん、eスポーツ分野や学習者向けなどの多様な世代に向けた展開が期待されます。

これからもBioPQQ^Ⓡの研究成果に、ぜひ、ご注目ください。

参考

1) Masanori Tamakoshi, Tomomi Suzuki, Eiichiro Nishihara, Shinichiro Nakamura, Kazuto Ikemoto. Pyrroloquinoline quinone disodium salt improves brain function in both younger and older adults. Food Funct. 2023;14(5):2496-2501.