清酒酵母エリオン®SP

Feature 特長と主な用途

1. 注目のアンチエイジング成分「スペルミジン」を
効果的に摂取できる酵母

エリオン®SPは、日本酒の製造に用いられてきた酵母を、三菱ガス化学が独自の育種技術によって開発した酵母です。酵母由来のビタミン、アミノ酸、ミネラルなどの栄養成分を豊富に含むだけでなく、アンチエイジング成分として注目されている「スペルミジン」を多く含有している点が大きな特長です。

スペルミジンはポリアミンの一種で、加齢とともに血中濃度が低下するといわれています。納豆などの発酵食品に含まれ、食品から摂取することもできますが、その量は多くはありません。

エリオン®SPは、2.0 mg/g(2000µg/g)以上の高濃度のスペルミジンを含んでおり、納豆に含まれている56.1 µg/gと比較しても高い数値を示しています。スペルミジンは、プトレスシン、スペルミンと並ぶ代表的なポリアミンの一種です。ポリアミンを規格化した健康食品は多く販売されていますが、エリオン®SPは特にスペルミジンを高濃度に含有していることが特長です。そのため、少量の使用でスペルミジンを摂取することができ、スペルミジンに着目した商品設計を可能にすることが大きな強みです。

2.スペルミジンの健康への影響

① オートファジーを活性化する

オートファジーは細胞が細胞内のタンパク質を分解する仕組みのひとつで、私たちが健康に生きていくうえで非常に重要な役割を果たしています。たとえば、がんや神経変性などの病気の発生を抑制したり、細胞内に侵入した病原体を排除したりします。また、オートファジー機能の衰えは老化の促進に関連していることから、オートファジーに注目した病気の治療・予防法がさまざまに研究されています。

さらに、オートファジーの活性を上げる食品成分も複数探索されています。その中で、スペルミジンはオートファジーを活性化する食品素材としてよく知られています。オートファジーを活性化する方法としてはカロリー制限がよく知られていますが、スペルミジン摂取量を増加させることでカロリー制限による健康効果の多くを再現する可能性があります2)

MGCでは、スペルミジンを含む酵母「エリオンSP」でもオートファジー活性を高めることを実験的に確かめました。また、その機能はスペルミジン単独よりも高いことも明らかにしました。

② ミトコンドリアの機能維持

スペルミジンはミトコンドリアの機能維持にも役立つことが報告されています3)

③ 抗老化

細胞の老化は、成長や分裂が正常に行われなくなることで進行します。スペルミジンはオートファジーを活性化することで、細胞内の老廃物処理や細胞機能の維持に寄与するといわれており、アンチエイジングの一助となる可能性があります。また、動物実験ではスペルミジン摂取によって認知機能が改善することが示されています4)

④ 寿命延長

スペルミジンは細胞のオートファジーを活性化することで、酵母、ハエ、線虫、ヒト細胞の寿命を著しく延長するという研究結果が複数報告されています5)6)7)
さらにヒトを対象とした前向きコホート研究で、スペルミジン摂取量が多いほど脂肪率が低下し、その寿命延長効果は約5.7年に相当するという結果が報告されています8)

⑤ 運動パフォーマンス向上

細胞の増殖を助けることで筋肉量の維持をサポートします。また、ミトコンドリア機能の維持によってエネルギー産生の効率が上がると推察されており、運動のパフォーマンス向上が期待できます。

⑥ アンチエイジング

皮膚の新陳代謝や髪の毛の成長など、美容面においても細胞の増殖や修復は重要です。スペルミジンによる細胞増殖の活性化は、肌や髪の健康維持にも貢献することが期待されます。

Evidence エビデンス

ヒト臨床試験(自社データ)

① 摂取8週間後の筋肉量増加

50-65歳の健常かつ平均的な運動量の男性9名をランダムに2群に分け、プラセボ群はBCAAのみ、試験群にはBCAA+エリオンSPを摂取してもらいました。摂取前と8週間摂取した後のSMI(四肢骨格筋量指数)、筋肉量、除脂肪量の変化をプラセボ群と比較したところ、エリオンSPを摂取した群はBACAAのみ摂取したプラセボ群に比べてすべての値が有意に増加していました。

※筋肉量の評価は周波数体組成計による測定で行いました。

これらの結果は、エリオン®SPが健常な中高年男性の運動による筋肉量増加効果を高める作用を持つ可能性を示しています。また、加齢や疾患により筋力低下が起こるサルコペニアなどの対策は社会課題となっているため、加齢による運動機能の低下を予防する食品としての期待も高まります。

細胞実験(自社データ)

筋芽細胞の増殖を促進

マウスの筋肉から取り出して培養した筋芽細胞(筋肉を構成する細胞の元となる細胞)に、エリオン®SPを加えて培養したところ、無添加時と比べて筋管細胞の割合が多くなることが分かりました。筋管細胞はさらに成熟して集合することで筋繊維を形成します。このように、エリオン®SPを摂取することで筋肉量が増加したメカニズムの一端が明らかとなりました。

※ミオシン重鎮面積占有率が高いほど、筋管細胞の割合が増加したことを示しています。

参考文献

1) 井部明広(2004)「発酵食品に含まれるアミン類」東京健安研セ年報55, p.13-22

2) Madeo F,et.al.,Spermidine in health and disease.Science. 2018 Jan 26;359(6374):eaan2788.doi:10.1126/science.aan2788

3) Al-Habsi M,et al.Spermidine activates mitochondrial trifunctional proteinand improves antitumor immunity in mice.Science.2022;378(6618):eabj3510.doi:10.1126/science.abj3510

4) Schroeder S,et al.Dietary spermidine improves cognitive function.Cell Reports. 2021;35(2):108985.doi:10.1016/j.celrep.2021.108985

5) Hofer SJ,et al.Mechanisms of spermidine-induced autophagy and geroprotection.Nature Aging.2022;2:1112–1129.doi:10.1038/s43587-022-00322-9

6) Eisenberg T, et al. Induction of autophagy by spermidine promotes longevity.Nature Cell Biology.2009;11:1305–1314.doi:10.1038/ncb1975

7) Kaeberlein M. Spermidine surprise for a long life.Nature Cell Biology.2009;11:1277–1278.doi:10.1038/ncb1109-1277

8) Kiechl S,et al.Higher spermidine intake is linked to lower mortality: a prospective population-basedstudy.American Journal of Clinical Nutrition.2018;108:371–380.doi:10.1093/ajcn/nqy102

9) 沼口友恵,竹中悠人,佐藤勇紀.スペルミジン含有酵母「エリオンSP」の機能性. Food Style 21.2023;27(10):45–48.

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