特長と主な用途
1.新たな機能を持つ乳酸菌を発見
乳酸菌は、ヨーグルトや発酵食品などを通じて広く摂取されており、腸内環境の改善や免疫機能のサポートなど、多彩な健康効果が知られています。そのため、多くの健康食品やサプリメントに応用され、日常の健康管理に取り入れられています。
三菱ガス化学では、1000種以上の乳酸菌の中でも特に免疫機能に着目し、有用な株を探究してきました。そうして見出されたのが、赤かぶ漬けから単離した植物性乳酸菌「リブオーレ®乳酸菌」です。
リブオーレ®乳酸菌は、免疫機能を高めてウイルスによるダメージを防ぐことが、研究によってわかってきました。赤かぶ漬けは冬が始まる頃に食卓に並ぶ食べ物ですが、昔の人は知らず知らずのうちに、風邪をひきやすい冬に備えて免疫力を高めていたのかもしれません。

2.一般的な乳酸菌との違い―
炎症を抑えながら免疫機能を高める
リブオーレ®乳酸菌の最大の特長は、過度な炎症を抑えつつ免疫機能を高める点です。炎症は病原体を排除するために必要な体の防御機構ですが、過剰になりすぎると、自身の細胞を攻撃し、組織を傷つけてしまいます。過剰な炎症反応が新たな病気を引き起こし、ときには生命の危機につながることもあります。
① 免疫応答のスイッチであるインターロイキン(IL)-12を強く誘導する
リブオーレ乳酸菌は741の乳酸菌株の中からもっともIL-12産生を誘導する能力がある株として発見されました。IL-12は病原体の信号を受け取り、免疫細胞の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞やT細胞に攻撃の命令を出す役割をもちます。
② ウイルスの作用を防ぐインターフェロン(IFN)λを強く誘導する
IFNはウイルスなどの病原体から身体を守るために細胞が分泌する物質です。IFNには複数の種類が存在しますが、リブオーレ乳酸菌が誘導するのはIFNλです。他の多くの乳酸菌で優位に誘導されるIFNαに比べて、IFNλは炎症性を抑えつつ、インフルエンザウイルスに抵抗性を示すことが報告されています1)。
③ 炎症を抑えるIL-10も誘導する
リブオーレ乳酸菌は炎症を抑えるIL-10も誘導します。そのため、免疫機能を活性化して、病原体の排除を行うと同時に過度な炎症を抑えることができると考えられます。

④ インフルエンザウイルスに感染させたマウスの生存率を上昇させる
マウスにインフルエンザウイルスに感染させた実験において、乳酸菌を摂取していない群では感染後6日で生存率0%(全滅)となり、他の乳酸菌摂取群では8日後に0%となりました。しかし、リブオーレ®乳酸菌を摂取したマウス群は、13日経過しても生存率は50%を維持しました。これらの結果はリブオーレ乳酸菌がウイルス感染に対して有益な効果をもたらすことを示しています。